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回、主に母親が指導を受けるのですが、いまも強く心に残っていることは、ことば、ことばと教え込む前に、まず基礎的な「しつけ」をしっかりすること。そうした日常会話の話しかけの中から、ことばを覚えていくことなど、きめこまかいご指導をいろいろして頂きました。
まず、おむつを取ることから始めた私は、いつもきりきりした気持ちで子供に接し、随分可哀想な思いをさせてしまいました。しかし、その反面、学校へ行くときはバスを降りて学校までの道すがら、いろんな自然のものにふれながらよく歩いたものです。
こうして、いろんなお母さんたちとの出会いがあり、絆も深まりつつある中でとげとげしい気持ちも少しずつ安らいでいきました。皆でともに行動し、ともに学び励まし合うというのが合い言葉となり、「ともに」の言葉に随分勇気づけられました。
日常生活の中で、子供との会話をテープに取り、それをまた、書き直す作業は、並大抵ではありませんでしたが先生方の、「いまにうるさくなるぐらい、お話しするようになりますよ」とのを言葉に勇気づけられ、努力したものでした。
最初のころは、ほとんど私の声ばかりで、その中に子供のババババとかアアアアの声が入り混じっているという感じでした。こうしてことばのプールに入れ、繰り返し繰り返しそれこそ、テープカセットを一台つぶすほどの練習の甲斐があって、「バイバイ」や「ワンワン」など、それらしい言葉が出てきたときは、例えようのない喜びでした。また、わけのわからないときから本の好きだった娘ですから、紹介頂いた絵本やレコードやぺープサートを使って、親子ともども歌ったり踊ったりと楽しいことをして遊んだりもしました。当時、流行っていた

 

 

 

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